理工学を学ぶ者にとって不可欠である複素函数論を学ぶ,複素函数論とは,複素数を定義域とする函数に対する微積分学である。定義域を複素数にまで広げることにより,見通しのよい議論が可能となり,実数の範囲では複雑極まりない計算が,複素数を用いることにより,簡単な計算で得られるということすら生じる。具体的には,正則函数,冪級数と初等函数,複素積分,Cauchyの定理,留数定理,TaylorおよびLaurent展開などを学ぶ。
複素関数の微分積分学といえる複素関数論について学ぶ。
複素関数における正則性と呼ばれる性質を紹介し,
その応用として複素関数を利用した実積分の計算方法について学ぶ。
理論の厳密性より実用的な面に重点をおきながら話を進める。
1.複素関数論とは
2.複素関数について
3.複素微分
4.コーシー・リーマンの方程式
5.線積分と複素積分
6.コーシーの積分定理
7.正則関数の解析性
8.ローラン展開
9.留数定理
10.実積分への応用(1)
11.実積分への応用(2)
12.留数の実用への応用例
教科書は特に指定しない。
参考書として
"Complex Analysis" L.V. Ahlfors著 McGRAW-HILL
(日本語訳 『複素解析』(笠原乾吉 訳, 現代数学社))
を参照されたい。
微分積分学,とくに, 偏微分, 線積分とGauss-Greenの定理
講義への参加状況, レポート, 期末テストによる。