集合と位相第一   Set and Topology I

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担当教員
村上 斉 
使用教室
火3-4(H135)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5001
シラバス更新日
2009年4月6日
講義資料更新日
2013年3月28日
学期
前期  /  推奨学期:3

講義概要

この講義とこれに続く集合と位相第二では,現代数学の基礎概念をなす集合および位相について解説する。集合の定義,集合間の写像,濃度など集合論の基礎的な諸概念を与えてから,無限を扱う時に強力な武器となる選択公理,Zornの補題について述べる。次に,集合の中の点の近さの概念を一般化する位相空間論への導入として,ユークリッド空間および距離空間での開集合,閉集合,近傍,連続などについて述べる。

講義の目的

現代数学の基礎言語である集合論と位相空間論に関する講義を行う.
集合論では「無限集合の無限の度合」,「無限にもいろいろな無限がある」ことを中心に説明する.
位相空間論では「連続」という概念を中心に説明する.
微分積分学では実数の集合を定義域とする連続関数を学習した.
位相空間論ではより一般の集合上で定義された「連続関数」や,集合の間の「連続写像」を学ぶ.
一般の集合上の関数や写像が連続であることを判定する「構造」が「位相」とよばれるものである.

講義計画

1. 集合:集合の概念,集合の演算,ド・モルガンの法則,直積集合,写像,全単射,
   濃度(二つの無限集合の大きさを比べる手段),二項関係
2. 選択公理:整列集合,選択公理,ツオルンの補題,整列可能定理.
   (ツオルンの補題は他の分野でもよく使われる.ぜひ理解してほしい)
3. 距離空間:ユークリッド空間上の距離,距離空間,開集合,閉集合,近傍系,連続写像

教科書・参考書等

内田伏一「集合と位相」 裳華房

関連科目・履修の条件等

「集合と位相演習」を同時に履修することが推奨される.

成績評価

毎時間課されるレポート,および試験によって評価する.

担当教員の一言

 計算の正確さとは別の,論理の厳密さが重要になります.
 話のほとんどが,定義を出発点として論理を進めて結論として定理を得る,というかたちなので,
まずは出発点の定義が大切だということを頭において学習して下さい.

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