基礎工業数学第二 c   Applied Mathematics for Engineers II c

文字サイズ 

担当教員
中野 實 
使用教室
火5-6(W611)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
5150
シラバス更新日
2008年10月23日
講義資料更新日
2008年10月23日
学期
後期  /  推奨学期:-

講義概要

基礎工業数学第一に続き,自然科学と工学に応用される数学諸部門の基礎的知識を与えることを目的とする。
フーリエ解析を用いた偏微分方程式の解法を数学的な厳密さにあまり主眼をおかずに,できるだけ平易に解説する。

講義の目的

「フーリエ解析」という名目で,物理、化学、生物などほとんどの自然科学の分野で必ず出てくるシュレーディンガー方程式と、それから導かれる常微分方程式について解説します.
 主として 音などの波動の伝わり方を表す「波動方程式」,熱の伝わり方を表す「熱方程式」,重力や電気の理論に現れる「ポテンシャル方程式」など主として2階偏微分方程式,また,建造物の「梁」の振動・ゆれを表す4階の偏微分方程式についても学びます.このような方程式に対して変数分離法を使い、フーリエ級数、フーリエ変換などを応用し、特殊関数を利用して真の解を解析的に表現するのが目的です.事情が許せば、PC用数学ソフト「マセマティカ」を用いて、説く方法も解説します.

講義計画

13~14回の講義で 次の様に数回づつ 解説します.
 偏微分方程式の境界値問題 2~3回
 フーリエ級数 2~3回
 直交関数系・一般フーリエ級数 2~3回
 フーリエ積分 2~3回
 ガンマ関数・ベッセル関数などの特殊関数 4~5回

教科書・参考書等

教科書:スピーゲル他著 マグロウヒル大学演習「フーリエ解析」オーム社(生協で入手可)


参考書等
参考書:渋谷他著「Mathematica 基礎からの演習」サイエンティスト社(生協で入手可)

関連科目・履修の条件等

1年の「微分積分学」を合格しているのが望ましい. 前期の科目の「基礎工業数学第一」で学ぶ「複素解析」の初歩を知っていると都合が良い.数式処理 パソコンソフト「マセマティカ」を使えればなお良いが,講義中に使用法を適宜解説する.

成績評価

かなり手間がかかる内容と計算量があるので日ごろからまじめに取り組むのが望ましい.よって,教科書の中にある膨大な数の演習問題から中程度の問題を数問ずつ毎時間レポート課題として課する.合否は、中間・期末テスト,出席数,レポート提出回数など を総合して 判断する.君たちの先輩たちと同じように、 全出席,レポート全部の提出,テストがまあまあなら「合格」.

担当教員の一言

自然現象には微分方程式で表現できるものが沢山ある.しかし,理論どおり導いた微分方程式が解けるのはむしろ例外である.少しでも現象を正確に深く理解するにはまず,標準的な理想状態の方程式を解き「ものにする」のが先決である.理系専攻学生にとっては重要な内容であるが、 上にも書いたようにずいぶん手間がかかる.そこで パソコンソフトを使って手計算ではやりきれないものを扱う方法もマスターするのが望ましい.とにかく,まじめに勉強する者に対してはなるべく合格させるつもりである.

このページのトップへ