基礎工業数学第一に続き,自然科学と工学に応用される数学諸部門の基礎的知識を与えることを目的とする。
フーリエ解析を用いた偏微分方程式の解法を数学的な厳密さにあまり主眼をおかずに,できるだけ平易に解説する。
ベクトル解析、フーリエ級数およびフーリエ変換(実1変数)が講義される。
主に、複素関数論及び調和関数論の視点から、講義題材が選ばれている。
1.1 ベクトル解析: (内積、 外積、曲率、曲面積、div、grad, rot、n 等の基本量についての解説)
1.2 div=0の流体力学的解釈、gradの持つ幾何学的性質
1.3 曲面積に関するパラメーター変換(一般論)
1.4 曲面積に関する曲座標変換公式(学生の反応を見て、場合によって講義)
2.1 Fourier級数(部分和)
2.2 Riemann-Lebesgueの定理
2.3 Norm収束と概収束
2.4 Fejerの定理およびDirichlet部分和に関する収束定理
2.5 Parsevalの等式
2.6 Gibbs 現象
3.1 Fourier変換(可積分関数のFourier変換)
3.2 軟化子
3.3 2乗可積分関数のFourier変換とParsevalの等式
参考書等
教科書は指定しないが
ベクトル解析については「理工系の微分積分学」学術図書(新保経彦・吹田信之)のpp.223-245を参考書としてあげておく。
Fourier級数についてはサイエンスライブラリ理工系の数学12「フーリエ解析とその応用」(洲の内源一郎)サイエンス社参考書としてあげておく。
Fourier変換についてはLebesgue積分入門」(伊藤清三)裳華房を 参考書としてあげておく。
理工系基礎科目「微分積分学第一,同第二」を履修していることが望ましい。
中間テストと期末テストによる。
基礎工業数学第II b,cのシラバスも良く読んでから受講すること.
純粋数学のみならず自然科学的視点についても触れられる。