無限次元空間での解析の基礎となる関数解析を講義する。関数解析はEuclid空間を自然に無次元化して得られる空間とその上の写像に関する理論であり,現代数学の土台となる概念・方法である。有限次元と無限次元の相違を強調しつつ,関数解析について基礎から解説する。具体的には,Hilbert空間,Rieszの表現定理,Banach空間,有界作用素,Hahn-Banachの拡張定理などを解説する。
ユウクリッド空間を自然に無限次元化して得られる空間とその上の写像の基礎事項とそのFourier級数や微分方程式等への応用を学ぶ。
1. Hilbert空間
2. Fourier級数とFourier変換
3. Banach 空間、関数空間
5. 有界作用素、コムパクト作用素
6. 自己共役作用素
7. 微分方程式への応用
岡本久・中村周:関数解析1(岩波書店)、
M. Reed ・B. Simon: Methods of Modern Mathematical Physics, Vol I, Acdemic Press
必要な予備知識: 実解析第一
実解析第二・解析学演習C第二とともに履修することを勧める。
レポート・期末試験等により総合的に評価する。
Fourier級数や偏微分方程式などの古典的対象を扱うのに、20世紀に入って確立された
関数解析が如何に有効かつ自然であるかを感じ取ってもらいたい。