I 材料に動的な荷重が作用すると,波動が発生し伝播と反射を繰り返す。これによって,材料の振動問題や破壊が発生する。本講義では,基本的な棒を取り上げ,様々な具体的な衝撃問題を解析することによりこの現象を理解し,材料の衝撃問題と破損の関係を考察することを目的とする。
II 波動方程式と図式解法,波動伝播と振動,ラプラス変換による解法,弾性応力波と塑性応力波,材料の衝撃破損
三次元弾性基礎理論を変位ポテンシャルにより解く方法を示すとともに、梁理論や板理論などの構造理論を導出する際の基本的な考え方と具体的な方法を示す。そして、特に具体的な動的な境界値問題について詳細な解析を行う。その上で、棒における一次元的波動伝播現象について、各種衝撃問題や逆問題の解析法、弾塑性波の解析法などを示す。さらに梁理論や板理論などの構造理論についても、その特性を解説するとともに、それらを用いた具体例の解析法やエネルギー原理に基づいた近似解析法を習得させ、その結果の解釈について解説する。また応用として、棒や梁と他の物体との二体衝突問題の解析法についても学習する。
1. 動弾性理論
2. 棒の縦衝撃理論と支配方程式
3. 棒中を伝播する応力波の性質
4. 図式解法による応力波の解析
5. 波動伝播理論による棒の応力波解析(1)ラプラス変換
6. 波動伝播理論による棒の応力波解析(2)ラプラス逆変換
7. 棒の二体衝突問題の理論解析
8. 棒の縦衝撃における逆問題の解析
9. 弾塑性問題における応力波の図式解法
10. ばね・質点系による近似解析
付録 1. 複素関数論
2. 関数の級数展開と積分表示
3. 積分変換
担当教員の配布するテキスト(A4版製本・90ページ)に基づいて講義を行う。
「変形の力学」「破損の科学」を履修しておくことが望ましい。基本的に毎週演習を行い,採点した後に返却する。
出席(約60%)と期末レポート(約40%)により評価する。
機械工学に欠くことのできない「固体力学」の総仕上げとなる科目であるから、習得することを強く勧める。
【オフィスアワー】
質問・疑問・相談など、教員室あるいは電子メール(ujihashi@mei.titech.ac.jp)にていつでも受け付ける。