物質が示す性質や現象について,何が起っているか,なぜ起こるか,どのように起っているかを理解するために,その根源に立返って解明する方法論を講義する。
20世紀には様々な物質が発見され、さらに自然には存在しない物質が次々に生み出され、材料として使われてきた。それらの物質は近年、気象や生物など地球環境にゆっくりとかつ確実に影響を与え始めている。物質科学は、物質や材料の設計、製造、様々な分野への応用、そして環境への影響を分子や原子のレベルまで立ち至って解明する分野である。しかしこの定義は十分吟味されたものとは言えない。本講義では、物質の構造、物質の変換、物質の設計、物質の機能についてそれぞれの教員が物質科学とは何かを講義する。物質科学は新しい学問であり、今後徐々に構築されて行くであろう。物質科学とは何かを考えてみよう。特に、君達のやっている研究にこの新しい分野があると期待している。
4月9日(木)山中 一郎 教授…電気化学と触媒化学が生み出すハーモニー
4月16日(木)矢野 哲司 教授…高温ラマン散乱測定とガラス融体の構造
4月23日(木)八島 正知 教授…中性子・放射光を用いてイオンの動きと化学結合を見る
5月7日(木)西方 篤 教授…燃料電池と材料
5月14日(木)石田 優子・佐藤 寛 非常勤講師…キャリアパスガイダンス:物質・化学・材料・ライフサイエンス分野の研究者・技術者の未来と大学院での学び
5月21日(木)多田 英司 准教授…金属表面における水素電極反応と金属内部への水素侵入
5月28日(木)小松 隆之 教授…固体触媒の表面で加速される反応を解明する
6月4日(木)佐藤 満 准教授…親水性とは何か、疎水性とは何か
6月11日(木)腰原 伸也 教授…1兆分の一秒での原子分子スケールの動きが生み出す新機能 -どれどれおじさんに見せてごらん-
6月18日(木)沖本 洋一 准教授…ラマン散乱からみる固体の電子状態
6月25日(木)江口 正 教授…生物を有機化学の言葉で語る
7月2日(木)豊田 真司 教授…立体化学から物質を考える:立体異性とキラリティー
7月9日(木)植草 秀裕 准教授…X線回折で見る分子の世界 -物質を測る-
7月16日(木)松下 伸広 准教授…機能性セラミックス材料の創製
7月23日(木)浅井 茂雄 准教授…高圧二酸化炭素処理した結晶性高分子の構造と物性
講義前に資料をOCW-iにアップロードするので、各自でプリントアウトして講義時に持参すること。
本講義は、大学院修士課程以上の学生を対象とする。
毎回の講義後レポートと最終レポートによる。
平成27年度連絡教員:山中 一郎 教授 南1号館405号室(内線:2144)