金属材料に外部から力を加えると,まず弾性変形し,その後永久ひずみが残存する塑性変形が生じる。本講義では金属材料の塑性変型をマクロ的な観点及びミクロ的な観点から説明する。特に,塑性変型は材料中の結晶欠陥(転位)の運動によって生じること,また,その変形挙動と結晶構造とが密接に関係することを教授し,材料の変形機構,強化方法を修得させる。
金属材料の力学的性質を考える際に問題となる,固体の種々の変形状態を主にマクロ的な観点から理解し,解析する手法を議論する。また,材料の変形と結晶構造との関係についても概説し,変形機構および強化機構について理解する。
・変位(変位,テンソルとは)
・歪(主歪,せん断歪)
・応力(主応力)
・応力(応力バランス,モールの応力円)
・弾性変形(フックの法則)
・弾性変形(弾性係数,ヤング率)
・塑性変形(降伏現象)
・塑性変形(結晶中の欠陥)
・単結晶の変形(変形の幾何学)
・単結晶の変形(シュミットの法則)
・多結晶の変形(粒界の役割)
・多結晶の変形(テイラーの理論)
・高温変形(クリープ現象)
・高温変形(粒界の役割)
1.B. Jaoul,幸田成康監修「金属の塑性」丸善
2.A. Kelly and G. W. Groves 「Crystallography and Crystal Defects」Longman Group Ltd.
3.G. E. Dieter「Mechnical Metallurgy」McGraw-Hill Ltd. UK
特になし
講義中でのクイズ,期末試験。
金属材料の変形の基礎を理解するためには必須の講義です。